和名:マダラシロハラミズナギドリ
英名:Mottled petrel
学名:Pterodroma inexpectata
形態
分布
生息環境
餌と採餌行動
繁殖
個体数の現状と保全
形態
体長33-35 cm、体重247-441 g、翼開長 74-82 cm。腹部が灰色で、尾の下面が白い点が特徴的である。翼の下面は白いが、斜めの黒い太線が入る。体の上面には背中と両翼にかけて黒くMの文字を広げたような模様が見られる。

分布
繁殖地は主にニュージーランド周辺の島々である。ニュージーランド本島(南島の南西部)、スチュワート島、スネアーズ諸島など。外洋では繁殖中は南大洋の太平洋域に主に分布する。繁殖を終えると赤道を越え、北太平洋で採餌を行い、ベーリング海などでよく観察される。

生息環境
外洋域を主な生息域とし、繁殖のため以外陸地を訪れない。繁殖地は島や山の標高350 m 以下の岩場や草に覆われた斜面が多い。繁殖期には南極海の開水域からパックアイス縁まで広く分布する。

餌と採餌行動
餌は主にイカ類、魚類だがオキアミ類も捕食する。ロス海で捕獲された個体の胃内容物の調査では、イカ類が湿重の98.4%を占め、ナンキョクイカ、ナンキョクテカギイカ、Galiteuthis glacialisが出現した。他にコオリイワシ、ナンキョクオキアミも出現した。主に浅い飛び込み潜水と表層ですくい上げる方法によって採餌する。ハイイロミズナギドリと一緒に採餌するのがときどき観察される。

繁殖
繁殖は10月に始まる。密度の高いコロニーを形成して繁殖する。巣は穴を掘って、あるいは岩の隙間に作られる。卵を1つ産む。抱卵期間はおよそ50日で、オス・メスは12-14日交代で抱卵する。雛は灰色の羽毛に覆われている。ふ化後2日は親が抱雛する。巣立ちまでは90-105日を要する。

個体数の現状と保全
個体数の総計は1-5万つがいと推定される。以前はニュージーランド本島、チャタム島、オークランド諸島にも多数の個体がみられたが、これらの島々から個体群は消滅した。主な原因は森林伐採、移入哺乳類・コバネクイナによる捕食、人間が食物とするための捕獲である。