和名:オオハイイロミズナギドリ
英名:Grey petrel
学名:Procellaria cinerea
形態
分布
生息環境
餌と採餌行動
繁殖
個体数の現状と保全
形態
体長48-50 cm、体重900-1220 g、翼開長115-130 cm。体上面は灰褐色で、腹部下面の白色とコントラストをなす。嘴から頭頂部の少し後ろにかけてキャップ状に灰褐色の部分が見られる。

分布
繁殖地は亜南極の島々に周極的に見られる。ゴフ島、プリンス・エドワード諸島、クローゼ諸島、ケルゲレン諸島、キャンベル島など。外洋では主に亜南極海域に周極的に分布するが、ペルー沖では冷たいフンボルト海流にそって亜熱帯海域で観察されることもある。

生息環境
繁殖地は草に覆われた急斜面に見られる。外洋では主に大陸棚斜面域よりも外側の海で観察される。

餌と採餌行動
餌は主にイカ類と魚類であるが、甲殻類や漁船から出されるゴミなども食べる。定量的にはほとんど調査されていない。餌はおもに表層ですくい上げる方法と追尾潜水によって採餌する。船を追いかけてよく飛び、魚のゴミを捨てる漁船などに集まる。

繁殖
冬に繁殖を行い、繁殖開始は2-3月である。コロニー性を示す。巣穴で営巣する。110 g の卵を1つ産む。抱卵期間はおよそ52-61日である。ふ化後数時間は親が抱雛する。巣立ちまでは110-120日を要する。

個体数の現状と保全
個体数の総計は推定されていない。ゴフ島に数十万羽、プリンス・エドワード諸島、クローゼ諸島、ケルゲレン諸島にそれぞれ数千つがい、キャンベル島に1-5万つがいが生息している。移入されたネコ・ラットによる多数の繁殖個体・雛の捕食がクローゼ諸島、マリオン島、キャンベル島で記録されている。マッコーリー島ではおそらくネコとコバネクイナの捕食により、本種の個体群は消滅した。