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![]() 英名:Black-browed albatross 学名:Diomedea melanophrys ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
![]() 体長83-93 cm、体重 3-5 kg、翼開長 240 cm。成鳥には目の前方、後方、上部をとりまく暗色の斑紋があり、アイシャドーをつけたように見える。嘴は黄色。 ![]() 繁殖地は主に亜南極の島々である。フォークランド諸島、サウス・ジョージア島、マッコーリー島、ハード島、ケルゲレン諸島など。外洋では南大洋において周極的に、南極周辺の海域から亜熱帯海域まで広く分布する。 ![]() ![]() 外洋域を主な生息域とし、繁殖のため以外陸地を訪れない。繁殖は離島で行う。繁殖地はタソックなどの草に覆われた斜面が多い。外洋では南極周辺の海域、亜南極海域、亜熱帯海域まで広い範囲で観察される。本種が観察される海域の海水温も0-24度と幅広い。ただしパックアイス域にはあまりみられない。これは海氷が海表面の気流を乱し、ソアリングを妨げるためと考えられている。 ![]() オキアミ類(ナンキョクオキアミ)、魚類、イカ類を食べる。サウス・ジョージア島での調査では、餌構成(湿重比)は甲殻類4.5-41.6%、魚類27.1-72.5%、イカ類13.2-37.3%、その他0-5.9%であった。餌はおもに表層ですくい上げる方法によって採餌する。ほとんど潜水は行わず、21個体へ潜水記録計を装着し、それぞれ4日間の調査をおこなったが、最大潜水深度は平均2.5m、最大の個体で4.5mだったとの報告がある。キャンベル島での衛星追跡による採餌域の調査では、本種は育雛期の採餌トリップ中の55%の時間を島周辺の大陸棚域で過ごしていた。しかし、島から2000kmも離れた極前線海域や南極周辺の海域まで移動することもあった。同じ島に生息するハイガシラアホウドリよりは近海を利用する割合が高い。 ![]() 成鳥は繁殖を毎年行う。9-10月に繁殖が始まる。高いコロニー性を示す。巣は地上に泥と草を使って作られる。210-310gの卵を1つ産む。抱卵期間はおよそ71日。雛は灰白色の羽毛に覆われており、ふ化後1-4週間は親が抱雛する。巣立ちまでは120日を要する。性成熟するまでは7-9年かかる。成鳥の年死亡率は7%程度で、野生で少なくとも34年以上生存した個体が確認されている。サウス・ジョージア島での1975-1991年までの17年の調査では平均年繁殖成功率は29%で、そのうち4年においては繁殖に成功した個体は皆無であった。繁殖成績の変動はこの地域での主要な餌であるナンキョクオキアミの資源量の変化によると考えられている。クローゼ諸島では平均的なつがいは2.04年に一度、1羽の雛を巣立たせる。 ![]() ![]() 個体数の総計は55万-60万つがい、全個体数は220万-240万羽と推定されている。フォークランド諸島に40万つがいがいると推定されており、この個体群の数は近年安定している。サウス・ジョージア島には6万5千ペア、キャンベル島には7万4千ペアが生息している。サウス・ジョージア島においては幼鳥の繁殖地への帰還率が近年低下しており、延縄への混獲が懸念されている。 |