<Vol.1(1) の掲載論文>
Statistics of Antarctic surface meteorology based on hourly data in 1957-2007 at Syowa Station.
Kaoru Sato, Naohiko Hirasawa
南極昭和基地の過去50年間にわたる気象データの詳細な解析結果を示しています。過去50年間の平均気温、気圧、風速がそれぞれ-10.5℃、986hPa、6.6ms-1であり、それぞれ異なった時間スケールの周期性があること、年平均気温に有意な変動傾向がないこと、気圧の年変動は南極振動と相関があることなどを示しています。
Trends in cloud amount and radiative fluxes at Syowa Station, Antarctica.
Takashi Yamanouchi, Yasuo Shudou
昭和基地の過去50年間の気象データを解析した結果、近年南極の雲量が増加傾向にあることを示し、この雲量増加とradiative fluxesの相関、季節変動について議論しています。
Temperature and oxygen fugacity constraints on CK and R chondrites and implications for water and oxidation in the early solar system.
Kevin Righter
酸化度が高く稀にしか発見されないCK、Rコンドライトの不透明物質に注目して酸素分圧を比較解析した結果、CK、Rコンドライトには異なった酸化メカニズムが作用した可能性があることを示しています。
Petrology of an unusual monomict ureilite, NWA 1241.
Yukio Ikeda
NWA1241はモノミクトユレイライト隕石ですが、含まれるsuessiteは1400K、酸素分圧10-20barの状態で生成されたことを示し、NWA1241が経た二段階の還元プロセスを理論的に考察しています。
Quantitative evaluation of the counterbalance between photosynthetic stimulation and depression caused by low partial pressure of O2 and CO2 in alpine atmospheres.
Tsuyoshi Sakata, Naoki Kachi, Yota Yokoi
ブナの葉の光合成を標高0mと2360mの2地点で測定比較した結果、CO2分圧の低下は光合成の低下をもたらすが、O2分圧の低下は酸素によるRubisco活性の抑制を緩和する方向に働くことを示しています。