南極観測隊便り 2017/2018


2017/12/25

メリークリスマス

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こんにちは、鶏軟骨の揚げ物とフライドポテトとハイボールをこよなく愛する医療隊員宮岡です。これらを食べなくなってから体重が10kg落ちていますが、BMI換算では25.6とまだまだですので、引き続き食事制限頑張ります。

疲労は蓄積しているように見受けられますが、隊員全員ほぼ健康です。ただ私が4日前から口唇ヘルペスを発症してしまい、こっそり塗り薬で治療しています。ヘルペスそのものは感染症に分類されますが、基本的にほぼすべての人でヘルペスウイルスは体内に潜伏しており、免疫力が落ちたり体力が落ちたりすると表に出てくる(唇や口腔内等)疾患です。ヘルペスを他の人にうつす可能性は少ないものの、慣れない環境で疲れがたまっているようです。以前のドーム隊でも口唇ヘルペス発症の報告はあり、今回も飲み薬・塗り薬双方持ち込んでおります。あと、興味深い事に自分の場合は2,3日で治る事が多いのですが、南極の環境のせいか治りが非常に遅く、今のペースだと1週間ぐらいかかりそうです。

雪上車で寝ることを基本としておりますが、テントで就寝している隊員もおり、テントが一張余っていましたので試しにテントで寝てみました。テント内の気温は氷点下になるかならないぐらいで、白夜なので一晩中直射日光があたり思ったほど寒くはありませんでした。さらに、寝袋の中に湯たんぽを忍び込ませで寝てみると非常に快適でした。皆さんも南極にお越しの際は湯たんぽをご持参される事をおすすめします。ちなみに、私は昭和基地に戻るまで雪上車の中で寝る事を決心しました。



本日はクリスマスイブ、のはずです。こちらはずっとホワイトクリスマスの状態ですし、彼女や家族と会えるわけでもないので、あまり実感がわきません。23日夜に蜃気楼が確認できました。写真の灰色の部分がそうです。皆さんにとっては、ただの色の違いにしか見えないかもしれませんが、白い景色ばかりしか見ていない我々にとっては大きな変化であり、少しはやいクリスマスプレゼントだったのかな、と思っています。



クリスマスケーキセットを用意していただいていますが、今日食べてしまうと別動隊のレーダー車に乗っている二人の隊員が食べられなくなってしまうので、二人が帰ってきてから食べようという事になりました。隊員が家族の、今年のクリスマスは少し遅くなりそうです。
ドームに置いてあったお菓子でメリークリスマス!!



キャンプ地:NDF  本日の行動:レーダー観測(NDF西35km地点)、浅層コア掘削(85.3 m)、大気観測(SPC、ゾンデ)、AWS設置、雪上車整備

掘削レポート(川村記) 62ランで29.4m掘削。55.9 – 85.3 m。1ランにかかる時間は約10分(うち掘削にかかる時間は約2分)。コアブレイクが斜めに入るため、2枚装着していたコアキャッチャーの数を変えてみた。1枚では斜めブレイクは解消する気配がなく、3枚の場合は回によって異なるが、水平にブレイクできることもあったので、3枚で落ち着いた。ブレイク部分に1〜2cm程度のショートピースを生じることがあった。斜めカットの際には、浅い側にいつも同じキャッチャによる爪痕がある模様。キャッチャのバネを調整してみたところ、ブレイクの角度に改善傾向がみられた。今日は夜中までかかり、夜には掘削場が雪上車の日陰になってしまったため、かなり寒かった。


本日最後のコア。



刃先の深度でブレイクし、コア下端の周囲にツバがついてきたコア(今日2回あった)
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