南極観測隊便り 2018 - 2019


2019/01/11

ドーム隊あるある

Tweet ThisSend to Facebook | by ishida
読者のみなさん、こんにちは。岡田(医療)からの投稿です。

ドーム旅行隊も徐々に終盤戦に差し掛かっていますが、今回はこの時期に限定した「ドーム隊あるある」についてお話しします。

①景色にあまり感動しなくなる
南極入りした当初は見るもの全てに感動していたが、内陸のあまりにも変化のない景色(360度見渡す限りの雪原)に心が動かなくなっている。

②写真をあまり撮らなくなる
①と同じ理由で、当初は毎日写真を撮りまくっていたものが、いつどこで撮ってもほぼ同じ景色なので、撮影する機会が激減。

③ぼーっとする時間が多くなる
メンバー同士一緒にいても、会話している時間よりぼーっとしている(瞑想している?)時間の方が多い。一点を見つめて動かない隊員もいる。

④体の汚れがあまり気にならない
常に体は汚れている状態なので、気にならなくなっている。着ている服もほぼ一緒。体は臭うが、あえて嗅がないようにしている。中には体の臭さを自慢する隊員もいる。

⑤動きはゆっくりだが、無駄がない
高所(空気が薄い場所)に滞在していたせいで、常に半分くらいの速さでしか動かない癖がついている。しかしながら、ゆっくりとした動きではあるが、全く無駄がない(最小限の力で最大限の働きをする技を身につけている)。

⑥甘いものが無性に食べたくなる
持ち込んだチョコレートなどの甘いお菓子はすでに品切れ状態。そのため、食材である「あずき」を缶ごと食べたり、チョコレートムースをそのまま食べたりしている隊員もいる。

⑦寒さにやたら強くなる
-20℃くらいでは「今日は暑いなあ」と口ぐちに言う。

⑧計算ができない
寒さ?疲れ?寝不足?からか、脳の回転が鈍り、足し算や引き算に時間がかかる。

⑨下ネタが増える
ダイレクトな下ネタが会話の中に連発する。

⑩涙もろくなる
恋愛映画やアニメを観ると、すぐに泣いてしまう。特に「宇宙よりも遠い場所(通称:よりもい)」に弱い。

⑪自分の存在を忘れられていないか気になる
昭和基地と定時交信を行うたびに「きっと我々ドーム隊のことは忘れられている」「名前なんて誰も覚えていない」と愚痴をこぼす。

⑫自分の人生について考えてしまう
これは僕の個人的な話であるが、連日長い時間雪上車を運転していると、「僕はなぜここにいるのか」とか「これからどう生きていくべきなのか」など、自分の人生について深く考えてしまう。

以上、僕が感じている「ドーム隊あるある」をお伝えしました。いかがだったでしょうか? もちろん、きれい好きな隊員や下ネタなどいっさい言わない隊員もいますので、ご了承のほど。

岡田記
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