南極観測隊便り 2018 - 2019


2019/01/08

掘削世界大会!?いいえ撤収準備です

Tweet ThisSend to Facebook | by ishida
みなさんこんにちは。設営伊藤です。

これを書いている数時間前、やっと大半の観測が終わり明日から撤収準備にはいります。
今回私は車両整備に多くの時間を費やした為、なかなか観測支援に入ることが出来ませんでした。
車両整備が終わり、車両の金子さん、櫻井さんはレーダー支援に。
私はベースキャンプに残り、雑務とアイスコア掘削支援に入りました。
アイスコアは去年も少しだけ手伝っていますので、ちょっとだけ流れはわかります。
去年と違うのは中澤さんと大藪さんが居ないこと。。。
なのでリーダー川村さん以外はほぼ設営チームです。
日々、淡々と掘って過ごしていましたがある日を境に現場は一気に盛り上がりだしました。
何がそうしたのかは分かりませんが、最初はとにかく声を出すように変化が起きました。



「目標掘削深度〇〇m!」「発射準備ヨーシ!発射!」
「下段構え!」「ヌンチャクヨーイ」「ジャケット確認!」
「予熱開始!」「ドリルシバキ!」「0.5トルクもどーせー」
「巻き上げ開始を要請!」「芋虫よーい!」
など意味不明のセリフを大声で叫び、笑い、楽しみながら掘削がすすむようになりました。これこそ設営の得意とする「大声」  疲れていても笑いで無理やり体を動かす得意技。
そして第2の変化もおきました。
タイムアタックです。1掘削にかかる時間を測りどこでロスがあったか、どこを変えたら改善できるかを掘りながら話し合い、深度130m付近でタイムアタックが開催されました。
浅い深度でも約14~15分だったのに、物の配置を変え、手順を見直し、ミスないように各自声出し、指さし確認を徹底。
そこで出した記録は10分32秒(深度138m)!!!
この記録がどれほどのものか読者の皆さんにも私たちにも全く分かりません。(汗)
ドリルが地表に出て来てからの動きはF1のピット作業並みの速さで。
3人いますが誰一人、手持無沙汰になるようなことは無く流れるような動きです。
アイスコア掘削世界大会があれば出場しようと思います。
絶対無いけど。

そんなことをぶっ通しで4時間。
目標深度を超えた瞬間、、、、、燃え尽きた、あしたのジョーのように、、、、
立ち上がるのも困難なほど疲弊してしまったのです、、、

もちろん騒ぎながらやっても大事なところは川村先生、藤田先生が冷静に押さえてますのでミスはありません。

伊藤記
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