南極観測隊便り 2017/2018


2018/02/14

ケープタウンへの移動

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2/5の投稿記事「待ち」のフォローアップとしての経過報告です。前回投稿以降、昭和基地滞在中は荒天が続きました。昭和基地では、荒天の程度に応じて、外出に制限がでてきます。昭和基地からの外出が申告制かつ複数名での行動が原則となる「外出注意令」がしばしば出されていました。低気圧が昭和基地北方を通過して数日荒天が続いたあとに、半日~1日程度穏やかなタイミングがあるような状況を繰り返していました。最終的には、荒天が一時的に収まり、空路帰国するメンバーが移動可能なチャンスがでたのが2/11でした。それまでも、何度か「ヘリ搭乗のため待機」という指示がでて荷物等をまとめスタンバイしたのですが、荒天で数回中止となりました。2/11朝に、空路帰国する14名の観測隊員や同行者が昭和基地から大陸上の航空拠点までヘリコプターで輸送されました。同日午後に、輸送を担うDROMLANという航空網のプロペラ機「バスラ-ターボ」が飛来し、隊員をノボ基地滑走路まで輸送しました。この輸送の完了が2/11夕刻。隊員らは、ノボ基地滑走路の宿泊施設(ベッドが多数設置されたコンテナ)に一泊し、翌日2/12午後の大陸間フライトによって、ケープタウンに移動しました。ケープタウン到着は2/12夕刻となりました。昭和基地から移動を開始して早約35時間後、ほぼ100日ぶりに街の環境にはいりました。これらの移動にあたっては、昭和基地の観測隊の方々、「しらせ」、それに国内の国立極地研究所や各機関からの支援など、様々且つ甚大なご支援を受け続けました。ここに記し、深く感謝申しあげます。昭和基地を去る際には、見送ってくれた昭和基地越冬隊の方々と、挨拶・握手・抱擁が続きました。
 
成田到着予定は17日となります。データとりまとめや研究の展開としては、新たな段階、そして長いエフォートの時間が間もなく始まります。来年の観測隊も間もなく冬期訓練がはじまり、10月に日本を出発する予定の次期ドーム内陸隊(夏隊メンバー)も準備を始動します。南極昭和基地で越冬観測を開始した方々とは連絡を密接にとりあいすすめます。アイスコア研究は、チームによるとても息の長いエフォートであるというのは私の確信です。少なくともこれまではそうでした。長い努力の先には、とても重要な知識が世の中に供給されていく。自らを鼓舞。各方面との連携もうまくとって。研究を志す方々に伝えたい知識やノウハウもたくさんあります。知識やノウハウの積み重ねで、それをこれから来る方々にもお伝えし、関係者全般の研究生産サイクルもどんどん上げたい。いざ!。(藤田記)
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