南極観測隊便り 2018 - 2019


2018/11/30

サスツルギ帯を前進 11/22

Tweet ThisSend to Facebook | by ishida
地吹雪はあるものの、天候が良好な状態は昨日に続いています。前日11/21と同様に06:00朝食、07:00出発としました。サスツルギによる「最大の難所」区間を通過して、76kmを前進。18:00頃にMD170でキャンプインしました。この地点で標高は2765メートル。吹き付ける寒風の気温は夕方には約-27℃。夜半には-30℃を下回ります。まさに極寒。外作業で感じる寒さは格段にきついものです。寒風が瞬く間に温もりを奪い去ります。

この日の夜23:00頃に届いたメール連絡で、翌日にノルウェー極地研究所からの人員を載せたツインオッター機が私達の内陸調査隊のところまでやってくる可能性があるとの連絡がありました。ノルウェーのトロル基地を発ったツインオッター機が、まず、沿岸にあるベルギーの基地プリンセスエリザベスに立ち寄り、その時点でこちらまで飛来するか判断をするとのこと。急遽チーム内で検討にはいり、着陸ポイントの候補地の選定や、明日一日の段取りについて目途をつけました。人工衛星データを元にした雪面の粗さの評価や、過去のルート通過時の雪面粗さの記載記録に基づき、着陸地点候補地は、現在居るMD170地点からもう10km内陸にすすんだMD180地点付近にすることとしました。また、日中に、複数の雪上車を動員して雪面を整地し滑走路とすることを検討しました。結果的には、翌日は好天が予報されていましたが移動距離は10kmとすることをこの深夜に検討することとなりました。

11/22 夕刻19:00頃の天気状況
風向170度、風速9.9m/s、気温-26.8℃、気圧694.8hPa、天気:地吹雪、雲量1、視程0.5km


写真:凸凹の多い雪面を整地しつつ先導するピステン車。

藤田記
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