南極観測隊便り 2017/2018


2017/12/29

12月28日(木)

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昨日様々な観測事項が終了しました。掘削は目標深度の150mを突破しました(ケーブル長151.91m、コア長151.875m)。この深度のドームふじアイスコアの年代は約4400年前、閉じ込められている空気は約2000年前のものです。NDFのコア年代もおそらくドームふじ氷床コアに近いものと考えられるので、今回掘削した最深部は、約4000〜50000年前のものと思われます。150mまでほとんど割れもなく、とてもきれいなアイスコアを掘ることができました。


レーダー隊は5泊6日の観測を終え、本隊に合流しました。良い観測ができたとのことです。広い雪原の中、雪上車1台での2人暮らしから戻った藤田さんと小林さんは、ドーム隊本隊のキャンプ地を「都会だ!」と言っていました。

また、昨日と今日で4mピットの観測も終わりました。ピット観測は雪を掘り、どのような結晶の雪が堆積しているのかを観察したり、どのような成分の雪が堆積しているのかを調べるための化学分析用試料を採取したり、積雪の構造を調べるための物理解析用試料を採取したりします。ピット掘りは大野さん、杉浦さん、宮岡さんが行いました。標高3800mでの穴掘りは相当大変だったと思いますが、とても綺麗でりっぱなピットが掘られていました。

ここ数日、目的の観測等を行うため、全員が夜遅くまで作業を続けました。本日は一応休養日でした。レーダー隊は半日観測、残った隊員も各自観測や試料採取、サンプル整理などを行なったため、完全休暇とはなりませんでしたが、比較的のんびり過ごせたのではないかと思います。夜は4日遅れのクリスマスパーティーをしました。宮岡さんと伊藤さんがクリスマスケーキやチキンの準備をしてくださり、ちょっとしたクリスマス気分を味わうことができました。写真の四角いケーキでは3人のサンタさんが掘削をしています。ウィンチやマスト、プーリーをチョコレートで作ってくれました!明日はキャンプ撤収準備で、明後日はNDFから東方へ移動する予定です。(大藪記)


キャンプ地:NDF
標高:約3750m
気温:-23度(12時半)、-24度(19時)
風速:2〜6m/s
気圧:613 hPa
本日の行動:レーダー観測、浅層コア掘削、大気観測(SPC、ゾンデ)、4mピット観測、燃料積み替え

掘削レポート(川村記)
12月27日(水)最終日 40ランで17.04m掘削。134.87 – 151.91m
ドリルの設定は昨日までと同じ。縦に薄い剥がれが生じたのが5回、コアが上がってこなかったのが1回(原因不明だが、次回のチップ&コア回収ランで回収成功)、カット面が大きく傾いたのが1回あったが、その他は順調で、コアの質は総じてかなり良かった。コアカットはほぼ手動(ウインチでなく手でワイヤを引く方法)で、その際のスピードがカットの質に影響している気がした。これでNDF地点での掘削は終了です。現場の隊員や観測隊、国内からの様々なサポートに心より感謝いたします。
総ラン数:354
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