南極観測隊便り 2018 - 2019


2019/01/18

帰路の白夜の夜景 その2

Tweet ThisSend to Facebook | by ishida
写真は、1/16深夜零時の雪上車隊の光景です。これがこの日の異例のキャンプ体制です。ルート上に、進行方向である北に向けて就寝体制にはいりました。通常の、「卓越風に配慮した車両や橇の配置、それに、ルートの風下数百メートルの位置でのキャンプ」とは異なる状況です。


写真:1月16日のルート上のキャンプ体制の風景。深夜零時頃。

 1月9日にノルウェーの方々をARP2から送り出しました。翌日以降の状況です。悪天とホワイトアウトで、走行してもGPSのナビゲーションを用いたナビ走行でした。視界に頼れない時の走法です。走行区間は、全体を通じ最もサスツルギが多い「難所」区間であるMD246~みずほ基地間です。

10日:ホワイトアウトの悪天のため、わずか28kmの移動。
11日:ホワイトアウトの悪条件だが、60kmの移動。
12日:ブリザード停滞。移動は無し。
13日:悪天とホワイトアウトで、わずか30kmの移動。
14日:ホワイトアウトと吹雪のなか50kmの移動。
この日のキャンプインのときには、視界のないなかGPSナビ走法ののち、夕刻にはわずか20メートル先の車両や橇の視認も困難ななか何とかキャンプ体制にはいりました。
15日:数日後に予定されているアイスコアの「しらせ」へのヘリコプター空輸日程に間に合わせるため、朝7:00から深夜23:00の走行を実施。110kmの移動。この日みずほ基地を通過しました。みずほ基地の気象タワーも、吹雪のなかにかすかに見えた程度。
16日:夕刻19:00に、ヘリコプター空輸予定地点まであと60kmの地点
(H240)に到着。昭和基地のと定時交信の結果次第で、もし17日にヘリコプター空輸が行われるのであれば、再度の深夜走行をする準備をして、写真のように夕食と定時交信の時間にルート上に停車しました。定時交信の結果、17日のヘリ空輸の実現可能性は無しと判明。深夜走行は中止し、停車状態のまま車両も橇も動かさずキャンプインとしました。

写真では一時的に雲がうすれています。翌17日は、60kmの移動を終え、H128地点に到着し、ヘリ空輸の準備にはいりました。天気は再度悪化し、寒気がはいりこみ、降雪が続いています。この週末にはアイスコアのヘリ空輸を終え、雪上車旅行のゴールであるS16地点までラストランをすすめたいところ。天気次第です。
ピステン車はラストラン体制で、車両の両側に既に国旗と社旗を掲げています。

藤田記
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