南極観測隊便り 2018 - 2019


2018/12/13

さらに内陸へ、そして調査地へ

Tweet ThisSend to Facebook | by ishida
本ブログの日記的側面の記述は、11/29(中継点到着)以降おろそかになっていました。
この内陸ドーム隊ブログの特徴、そして明らかに大きな弱点!は、隊員が忙しく活動がピークになってくると更新・投稿する余力がなくなってしまうのです。内陸隊は早朝から活動を開始し、一日中移動、移動は17時頃までに終えても、そのあとも様々なメンテナンスや整理があります。当初から目的とする観測成功が大目的ですので、アウトリーチとのバランスの確保は結構難しいです。ブリザード停滞のときなど、たくさん書けるときもありますが、日々の活動が多いと手足が全然でないときもあります。本文も、12/12夜に、日中の大作業のあとに現地時間深夜に書いています。

11月末以降の動きを超ダイジェストとして述べます。中継拠点を出て、ドームふじへ向かいました。11/30に中継拠点(MD364)での観測活動。その後、最大一日約70kmの移動を繰り返し、休養日課もいれながら、12/7にドームふじ基地に到着しています。中継拠点を過ぎてからは、サスツルギが減少し、雪がとても柔らかい領域、いわゆる「軟雪帯」にはいりました。日々の活動は、延々と雪の砂漠(年間降水量約25-100mm程度)を内陸に向かって前進することです。撮影した写真をみても、下記のような雪の大平原が大多数になります。



ピステン車が走り、そのあとをリーマン橇と呼ぶ大型の橇を引くと、写真のようなトレースになります。「軟雪帯」は雪が柔らかすぎて、車両と橇が通過すると深い雪のわだちができることで古くから知られているのですが、走行する車両や橇の組みあわせ次第では、走行トレースが良好になります。後続の車両も走行しやすい状態となっています。

移動中の日々の観測は、私達が「5点セット」と呼んでいるものをルーチン的に実施しています。
・積雪量を求めるための「雪尺観測」 (2km毎、担当津滝)
・雪の化学成分分析のための積雪サンプリング (10km毎、担当は栗田と山田)
・中性子線の観測 (担当は栗田)
・アイスレーダ観測 (担当は藤田)
・積雪の物理観測 (担当はJC)

今は、12月もなかばにはいり、観測活動はピーク期間にはいっています。
観測日程は押しています。不規則や短めになるかもしれませんが、活動状況やいろいろな出来事を投稿していきたいとおもいます。

藤田記
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