南極観測隊便り 2018 - 2019


2018/11/06

南極に向かうフライトを待つ時間

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ケープタウンに到着してから、週末も挟んで5日経過しました。気持ちは南極へ急ぎます。昭和基地の方々も大変な努力をして受入体制をつくっていると伺っています。
 
南極に向かうフライトは、主に南極大陸側の気象条件によって影響されます。現状では、南極大陸の経由地である「ノボラザレフスカヤ基地滑走路」の天候状況が離着陸には適さない状況となっているため、フライトは11月8日(木)まで順延となりました。離着陸に適さない横風が滑走路に吹いているためです。一方、ノボラザレフスカヤ基地滑走路では、10月下旬に既に南極大陸入りしている外国隊の隊員が、2週間以上足止めとなっているという情報もあります。私達が順調に11月8日(木)に南極大陸入りしても、足止めを食らっている外国隊の移動が優先される見込みです。ですので、私達が昭和基地に到達するまでは、まだ様々な条件によって影響され、遅れる可能性も大きく存在します。

 
私達先遣隊隊員は、こうした状況のなか、ケープタウンで待機時間を過ごしています。
昨日は、チーム内でレーダ観測の打合せを実施しました。観測にこれから臨むイメージトレーニング的な打合せです。また、航空機への預け荷物はすでに航空機を運航するALCIに預けました。情報の事前確認など、観測準備に念を入れるチャンスでもあります。前向きにとらえ、遅れを少しでも補っていければとおもっています。また、先遣隊のなかには、越冬隊として2020年3月まで南極に越冬滞在される方々がおられます。これらの方々は、街の環境で過ごすラストチャンスのひとときでもあります。次に街の環境に出るのは、約15カ月も先になります。先遣隊で南極入りし、越冬後に本隊とともに「しらせ」で帰国すると、通常の本隊の越冬隊員の方々よりも1月長い南極の滞在になります。
 
この週末には、郊外に出かける機会もありました。宿泊地周辺や外出先、あるいは諸行事など、写真をいくつか紹介していきます。
 
 
  
 
  
【宿泊先】 現在の宿泊先は、ケープタウン市内のwaterfrontと呼ばれる地域にあるBreak Water Lodge (BWL)というホテルです。過去には、刑務所として使用されていた建物です。その建物が、現在は一部をホテル、そして一部を大学キャンパスとして使用しています。写真左は現在。右は、刑務所として使用されていた時代のものです。
 

  

  
【ホテル近傍の風景】ホテルの庭付近からみた風景。左上:市内に見える小高い丘には登りたくなりますが、治安は良くない町なので、出向くことはできません。右上:近くのショッピング区画に出かける方々。左下:向かいには水族館が。右下:ホテル庭からみた風景。
 


【週末】 週末には、航空機を運航するALCIの方々とケープタウン郊外で食事を共にし、航空機運行側の方々との貴重なコミュニケーションの時間をとることができました。経営を実質的に担う4名の方々とじっくり話すことができました。背景の遠くにはテーブルマウンテンが写っています。

 
  
【航空機預け荷物を預け】11月5日には、既に航空機への預け荷物を計量し、ALCIに届けました。物資は、私達よりも先に航空機に搭載されています。
 
 
  

【街の周辺の山々】左上:近郊にある「ライオンヘッド」と呼ばれる山。右上:宿泊先近くに見える丘。その後ろにはライオンヘッドがみえています。これらは、テーブルマウンテンから連なる大小の一連の山々です。左下:waterfrontからみた、テーブルマウンテン。標高千メートルを超えています。山頂へは、登山道のほか、ケーブルカーでごく短時間で訪れることができます。
 
 
  

  
【Food Market】宿泊先近くの、V&A Food Market という施設やその周辺。多くの食堂や食品店が入っています。この地域の治安は比較的安全と言われています。それでも外出時は要注意で過ごしています。

【ホテルからwaterfront付近の夕景】天気は「曇り時々晴れ一時雨」のような天気です。寒気がはいり、空気は肌寒いです。時折、小雨や大雨が降っています。寒いときには、南極行きのための用意してある衣類を着ることもあります。風は概して強いです。


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