南極観測隊便り 2017/2018


2017/12/01

11月30日(木) 初めてのスタック

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現在雪面の荒いサスツルギ帯を走行していますが、従来の内陸旅行とは異なり、ブレードを持ったPB300が雪上車を先行して走り、サスツルギを馴らして道を作っています。そのおかげで後続の雪上車は1mを超えるようなサスツルギを横目に整地された舗装路を涼しい顔をして走行することができています。昼休みには、給油を行い昼食をとるのですが、その時は一旦ルートから外れることがルールとなっています。そのため、昼食時はPB300が整地していないサスツルギ帯へ入ることになります。今日昼食をとったエリアは、最近走行した中でも1、2位を争う雪面状況の悪い場所でした。私たちが乗車する117号車は雪面状況を見ながら停車位置を決めたつもりでいたのですが、休憩後発進しようとしたところ、大きなサスツルギにはまり履帯が空転しスタックしてしまいました。そこで颯爽と救出に来てくれたのが20年先輩の109号車。117と109号車を直列で連結し、109号車に引っ張ってもらうことで無事サスツルギから脱出することができました。改めて感じたのは、PB300のありがたさでした。明日はみずほ基地に次ぐ第2のチェックポイント、中継拠点に到達する予定です。
(大藪記)


整地しながら走行するPB300と、後に続くSM100型雪上車

 
109号車に牽引してもらって脱出する117号車


本日の行動
出発地:NMD324
キャンプ地:NMD378
標高:約3200 m
気温:-33度(6時半)、-27度(18時半)
風速:4〜8 m/s
移動距離:54km
S16(出発地)からの積算移動距離:633 km
ドームふじ基地まで:423 km
本日の行動:移動、ルート沿いサンプリング、レーダー観測、キャンプ地での観測、雪上車整備


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