南極観測隊便り 2017/2018


2018/01/27

1月23日(火)コア空輸 追加記事

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記事が前後しますが、1月23日、ドーム隊最後の大仕事、アイスコアの空輸が無事に終了しました。しらせからH128まで片道約100kmありますが、大型ヘリを8便運用していただき、深層コア173箱、浅層コア88箱、雪氷試料59箱、計320箱を無事にしらせのリーファー(冷凍コンテナ)と観測室冷凍庫に搬入しました。しらせの乗組員、昭和基地としらせの通信の方々、しらせ乗船の59次隊隊長や輸送担当隊員、海洋観測チームなど、多くの方々と部門のご協力のおかげで、滞りなく輸送を行うことができました。

輸送作業は朝9時半〜18時半頃まで、丸一日の仕事となりました。ドーム隊からは4名が第1便でしらせに行き、リーファーヘの搬入と確認作業にあたりました。H128には6名の隊員が残り、ヘリへの積み込み作業にあたりました。毎回5人程度H128まで支援に来てくださったしらせの乗組員と、取材でH128に訪れた取材関係2名のご協力により、一箱あたり30kgを超える深層コアの積み込みもあっという間に進みました。しらせの船上でも多くの乗組員にご協力いただき、各便のヘリからの荷降ろしとリーファーへの搬入も迅速に終了しました。

この翌日を境に天候が悪い方に傾いたので、もしこの日に空輸ができていなかったら数日〜1週間ほどの遅れが生じ、その間にコアの温度も上昇するため、分析結果や研究に影響が出た可能性もあります。多くの方々のご協力に大変感謝しています。

ドームふじ基地に-50度以下で保管されていたコアの、基地からH128経由しらせまでの輸送中の温度履歴や、そのことのコアの分析結果への影響などは、極地研にコアが届いた後に、コア箱に同封した温度計の記録の確認や、実際に分析によって確かめます。そして、世界でも例を見ない−50度での低温保管を続けているドームふじ氷床コアを用いて、私たちにしか出せない研究成果を出していきます。(大藪・川村記)

1月23日
キャンプ地:H128
気温:-16度(6時)、-10度(18時半)
風速:1〜9m/s
気圧:831hPa
本日の行動:アイスコアと雪氷試料の空輸(深層コア173梱、浅層コア88梱、雪氷試料59梱)
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