南極地球物理学ノート No. 8 (2011.12.15)

干渉合成開口レーダーで決めた氷床接地線3


澁谷和雄・山之口勤

Keyword: 白瀬氷河, プリンセス・ラグンヒルド海岸, ラザレフイーゼン, パインアイランド氷河, Larsen B 棚氷, InSAR-GL Database



南極地球物理学ノート No. 7で述べたようにInSAR画像のフリンジ帯の最も大陸側の帯をInSAR GLとして抽出できたので、個々の地域の特徴について具体例を見て行く。なお、地域名の後にかっこ書きで示してある位置はSCAR WGGGIが公表しているComposite Gazetteer (1998) による位置であって、今回得られたInSAR-GLに基づく位置ではない。

図中の黄色い線はADDによる海岸線(coastline)及びGL(ADD-GLと称する)を示している。赤い実線が南極地球物理学ノートNo. 7でrobustと称した±300 m精度のInSAR-GLである。赤い点線部はInSARだけでは決められず、SAR散乱強度画像も参照して決めたがノート No. 7でfaintと称したように、やや不正確(±400 m精度)な部分である。青の実線部はSAR散乱強度画像だけから決定したGLで、精度は場所により異なり、明確な誤差を与えられない。以下の記述では、InSAR-GLを正しいとみなし、ずれはADD-GL側に原因があり生じているとする立場を貫いている。



1.東南極

1.1. 38˚E―40˚E

図1はSoya Kaigan(宗谷海岸)~Shirase Hyoga(白瀬氷河)にかけての地域(38˚E - 40˚E)のInSAR画像である。この地域は日本南極地域観測隊(JARE: Japanese Antarctic Research Expedition)の活動域ということもあり、地上測量は殆どがJAREによりなされたものである。従ってADD-GLもJAREの基準点測量・航空写真測量をもとに引かれている。

InSAR-GLとADD-GLはその形状においては良く一致している。しかし位置についてADD-GLがInSAR-GLより東側にずれている露岩が存在する。例えばPadda(69˚39'S, 38˚20'E)やSkallen(69˚40'S, 39˚25'E)のずれは1200 mに及ぶ。しかし、両露岩域の中間に位置するBerrodden(69˚47'S, 39˚07'E)から白瀬氷河にかけては、そのような顕著なずれはみられない。このような系統的でない露岩域単独の位置ずれは、その場所での地上測量の限界(1980年代以前の古典的な天文測量に依存している)を示したものとも、言える。

note08_01図
図1. (宗谷海岸から白瀬氷河域にかけてのInSAR-GL)

図1でのもうひとつの大きな特徴はShirase HyogaのGLである。InSAR-GLはADD-GLより約12km内陸部(上流)まで入り込んでいて、しかも氷流軸に対して非対称性(西岸に対して東岸がより奥深い)である。また、西岸のInSAR-GLはADD-GLよりさらに西に位置し、リュツォ・ホルム湾内での氷流幅はADDで考えられていた幅より少なくとも30%は広い。


1.2. 30˚E―36˚E

図2はPrins Harald Kyst(KystはCoast, 海岸の意味)から、Riiser-LarsenhalvØya (halvØyaは半島の意味)を経て、Prinsesse Ragnhild Kystに至る地域である。Riiser-LarsenhalvØya北東端はInSAR画像が得られなかったので、RAMP画像の判読で得られた近似的なcoastlineをGLとみなして引いている(青い実線)が、位置ずれが約5 km (ADD-GLはSAR/InSAR-GLより北東、海側にある) に及んでいる。Prinsesse Ragnhild Kystの一部も、RAMP画像の判読に依存した(青い点線)。細部の形状がInSAR-GLの方が精密なのは当然であるが、ADD-GLの位置ずれはあまりみられない。

note08_02図
図2. (Prins Harald KystからPrinsesse Ragnhild KystにかけてのInSAR-GL)

1.3. 13˚E―16˚E

図3aはLazarevisen地域(70˚00'S, 14˚30'E)のInSAR画像である。In-SAR GLはやはり、細かい形状の凹凸を表現できている。ADD-GLでは中央やや西寄りに“半島”が描かれているが、これは見かけの“偽半島”である。InSAR画像ではこの“偽半島”を挟むように3つの島が確認できる。これらの地形はADDに登録されておらず、これまで未発見だったものである。ADDマニュアルによると本地域の海岸線データ作成はLANDSAT衛星搭載のTMセンサー画像の判読で行われた。そこで、図3bに1989年11月16日、TMセンサーで撮像された画像を示し比較した。この画像情報のみから判読すると、確かに“半島状”のパターンが現れてなくもない(橙色の実線)。この事実は、光学画像判読だけではGLを見誤るのでIn-SAR画像が不可欠であることを示している。

図3aにおいて大陸GLの約60 km沖合の棚氷中にも2つの島が発見された。これらもADDには未登録である。これら2つの目標物(69˚47'S, 13˚13'Eと69˚43'S, 13˚40'E)を図3a, bにおいて緑色の丸囲みで示す。In-SAR画像では密なフリンジパターンが現れるので“島”と認識できるが、LANDSAT画像では何か塊らしき地形があるらしいとしか認識できない。画像は割愛するがこの緑色丸囲みの目標物は1991年撮像のERS-1 SAR画像と1997年撮像のRADARSAT-1SAR画像で形状と位置が変化しておらず、その一方で周辺の棚氷域には動きが見られることから、“島”であることは間違いない。

note08_03図
図3. (a) Lazarevisen域のInSAR-GL, (b) 同じ地域のLANDSAT TM画像

上記で“島”と断言したが、水深の浅い海域に着底している“ice rise”の可能性は捨てきれない。その場合、”ice rise”の長期安定性がこの海域の海氷安定性にとって重要な意味をもってくる。もし、ice riseが浮き上りでもしたら、ピン止め効果がなくなり、幅50 km以上の多年氷が一気に失われるかもしれない。


1.4. 0˚―4˚W

図4はRobertskollen (71˚30'S, 3˚15'W) 付近の(a) InSAR画像及び(b) SAR散乱強度画像である。本地域には大小いくつかの氷河・氷流が混在し、それらの間に丘状の地形が見られる。棚氷域にはKupol NovyjあるいはNovyy Island (70˚50'S, 2˚50'W)と呼ばれる島 (実際は2つの島からなる)もあり、複雑な地形を示している。図4a画像東端のJutulstraumen氷河(71˚35'S, 0˚30'W)のInSAR-GLがADD-GLよりだいぶ湾奥まで入り込んでいるのは白瀬氷河同様である。しかし、その西側でフリンジパターンが急激にぼやけ、GLが不鮮明になっている。従って、図4bのSAR散乱強度画像と合わせ判読してGLを推定したため、赤い点線(faint)にならざるを得なかった。

回帰周期との関係でペアシーン取得時の潮位差が小さいことはあり得る。この地域のGLがfaintになった主な理由がそうで、理論潮汐振幅差は9.4 cmしかなかった。ERS-1/-2の場合、この振幅差だとフリンジ3.3本分にしかならない。本地域の入り組んだ沿岸地形とBpが94 mであることを併せ考えると、変動縞に似たような形の地形縞が重なり、GL検出が難しくなったものと判断される。

note08_04図
図4.  (Robertskollen, Kupol Novyj近辺のInSAR-GL)

1.5. 7˚W―15˚W

図5はKronprinsesse Mätha Kyst (72˚00'S, 11˚00'W)からRiiser Larsenisen (73˚00'S,  16˚00'W) にかけてのInSAR画像である。本地域はADDのマニュアルによると、1990年代前半のLANDSATモザイク画像(幾何補正済み)を用いてGLの判読がなされている。今回求められたInSAR-GLは形、位置ともにこのADD-GLと良い一致を示している。

note08_05図
図5.  (Kronprinsesse Mätha Kyst からRiiser LarsenisenにかけてのInSAR-GL)


2. 西南極

西南極のタンデムペアは殆どが10月から3月にかけての春~夏季に取得されたもので、南極地球物理学ノートNo. 6のWyers Ice Shelf同様、日射による後方散乱特性の変化が激しく、coherence低下により可干渉性が失われたペアも多い。また、130˚W―140˚Wについては残念ながら、解析に適したInSARペアがなかった。

西南極氷床は主にMarie Byrd Land (90˚W―160˚W)の広い範囲にわたる。この地域は、氷河、棚氷変動が極めて激しい。例えば、図6のように1996年2月ERS-1で取得された画像では一体であったGetz Ice Shelf (74˚15'S, 125˚00'W) の一部(縦約30 km, 横約 60 km)は1997年10月のRADARSAT-1画像では剥離し、80 kmほども移動した。

西南極では欧米の研究者が、特にPine Island Glacier (PIG)については、衛星リモートセンシングのみならず、航空機観測を精力的に実施し、氷河・氷床の質量収支を研究している。1990年代後半から現在に至る主だった研究としてRignot (1998), Shepherd et al. (2001), Rignot et al. (2004), Rignot (2008), Joughin et al. (2009) などがあげられる。そこで我々は、InSAR-GLデータベースの特徴に焦点を絞り、4地域についての簡潔な説明に止めることにする。


2.1. Siple島付近

図6はSiple島 (73˚39'S, 125˚00'W) 近辺のInSAR画像である。Dean島  (74˚30'S, 127˚35'W)近辺のInSAR-GLはADD-GLと大差ない。しかし127˚Wを境に東側(低経度側)で南極大陸―Getz Ice Shelf間のADD-GLは形状が単調になり、位置に歪みがあることがわかる。この単調さと歪みは画像枠の東外側の115˚W付近まで続いている。

Siple 島とCarney島、及びその東側の島は独立した島である。両島におけるADD-GLの位置ずれは東方向、約6000 mに達している。Getz Ice Shelf内の120˚W~121˚Wにかけての狭いフリンジパターンが何に由来するものなのかは、これだけでは判然としない。

note08_06図
図6. (Siple島近辺域のInSAR-GL)

2.2. Wright 島~Bear 島 (110˚W~118˚W)

図7はWright島(74˚02'S, 116˚50'W)から、Martin半島(74˚20'S, 114˚30'W)を経てBear 半島(74˚35'S, 111˚00'W)にかけてのInSAR画像である。この地域のADD-GLはInSAR-GLと位置においてほぼ200 m誤差内で一致している。但しADD-GLでBear “Peninsula”としている地形は、InSAR-GLの特徴から実際には”Island”であることが明らかになった(水色円囲いの黄色い接地線は偽で、大陸接地線とはつながっていない)。Faint(赤い点線)で示されるようにInSAR-GLだけでは不明瞭な接地線部分もBear “島”とその東側の大陸部分で目立つ。Martin半島はローカルな小氷河を包含した複雑なGLで特徴づけられている。

note08_07図
図7  (Martin半島付近のInSAR-GL)

2.3. Pine Island Glacier~Thurston 島  (96˚W~108˚W)

図8はPine Island氷河(PIG: 75˚10’S, 100˚00’W)周辺域のInSAR画像である。この地域のADD-GLの位置ずれは概略、西から南西向きでBurke 島 (73˚08’S, 105˚06’W)で約9500 m、King半島 (73˚12’S, 101˚00’W)で約7100 mに達する。その一方で、さらに東のThurston島(72˚06’S, 99˚00’W; 紙面上部で半分切れている)に至るとADD-GLはInSAR-GLと比較的良い一致を示している。また、概してInSAR-GLはADD-GLより内陸側に寄っている。

通常Bpが200 m以下で撮像時間間隔が1日であれば、大体、干渉画像が得られるが、このペアの場合、PIGの河口域は不鮮明なフリンジのかけらがみられるだけである。他のInSAR画像ではフリンジが出ている場合もあるため、ここで用いた夏季のペアではcoherence低下が著しかったと解釈される。なお、先に述べたRignot (1998)によるとPIGのGLは1992年から1996年までに5 km後退した。Rignot et al. (2004)によるとPIGからの氷質量流出は84.2 km3/yrで、上流域での降雪によるバランス量より9 km3/yrも多い。そして、GLの後退は~1 km/yrで継続しているとのことである。この位置ずれが、もともとADD-GLの不正確さによるものか、最近の急激なGLの後退を反映したものか、が研究の焦点になっている。

note08_08図
図8.  (Pine Island氷河付近のInSAR-GL)

図9は図8の上部(北側)につながる区域のInSAR-GLである。Fletcher 島 (72˚40’S, 90˚00’W)の南部においてADD-GLでは半島状の地形(青色の楕円内)が見られるが、InSAR-GLでは見られず、Lazarevisen同様、誤判読と思われる。なお、Thurston 島南のAbbott Ice Shelf (72˚44’S, 96˚00’W)はどのInSARペアにおいても変動縞が少なく、概して安定した棚氷であることを示している。しかし、中央部大陸側に緑丸で囲った、GLが判然としないcoherence を失ったストライプがあることが気になる。

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図9.  (Thurston島付近のInSAR-GL)


3. 南極半島

南極地球物理学ノートNo. 7の図9に見られるように南極半島の海岸線(氷床接地線)はとても入り組んでいる。しかしこのノートの図10で見比べるとADD-GLとInSAR-GLは、どの区域をとっても殆ど一致している。南極半島でのSAR画像の役割は主に、棚氷域や海氷域の変化(縮小)を調べることになろう。

note08_10図
図10. (南極半島域のInSAR-GL)


4. まとめ

ADD-GLとの比較においてInSAR-GLは極めて詳細な形状、かつ精確なgrounding lineの位置を捉えていることが示された。ADD-GLはその殆どがScott Polar Research InstituteのCharles Swithinbank(当時)によるLANDSAT衛星の光学センサー画像の判読・抽出に基づいていたが、島を半島と見誤ること、孤立した島 (あるいはice rise) の見落としも明らかになった。その具体例が東南極Lazarevisen地域、西南極のBear島、Fletcher島南部に見られる。

また、ADD-GLは系統性のない位置ずれを示す場合があり、これは、測位精度の劣った古典的地上測量に依存した航空写真によって描かれた露岩域の地図データを採用したがためと思われる。その主な具体例は、東南極のRiiser-LarsenhalvØya、西南極のCarney島、King半島である。

顕著な事実は、氷河河口域のInSAR-GLがADD-GLに比べ、内陸部に深く入り込んでいることで、白瀬氷河で約12 km、Jutulstraumen氷河で約43 kmに達した。

一方、InSAR-GLも万能ではない。散乱特性の変化が大きすぎて1日の回帰パスでもcoherenceが得られないPine Island氷河域や、あるいは1日回帰での海洋潮位差が小さく、はっきりしたフリンジパターンが得られないRobertskollen地域のような例もあった。このような場合、判読したpolyline dataにはfaint(不明瞭)という属性を与えた。

InSARという手法が確立してきた現在、衛星の運用方法の改善で、南極の氷床接地線の決定と変動検出がますます容易になることは確実である。



SCAR WGGGIによる南極地名については下記2点が詳しい。

Composite Gazetteer of Antarctica (South of latitude 60˚S), Volume 2, collated by
the "Programma Nazionale di Ricerche in Antartide" of Italy on behalf of the
SCAR Working Group on Geodesy and Geographic Information, 328 p, March
1998.

Moriwaki, K., ed., 2000. Gazetteer of eastern Dronning Maud Land, Antarctica,
First edition. Natl Inst. Polar Rese., 225p., Tokyo.



西南極、Pine Island 氷河域の変動研究として以下が参考になる。

Joughin, I., Tulaczyk, S., Bamber, J.L., Blankenship, D., Holt, J.W., Scambos, T.,
Vaughan, D.G., 2009. Basal conditions for Pine Island and Thwaites Glaciers,
West Antarctica, determined using satellite and airborne data. J. Glaciol., 55,
245-257.

Rignot, E., 1998. Fast recession of a West Antarctic Glacier. Science 281, 549-551.

Rignot, E., 2008. Changes in West Antarctic ice stream dynamics observed with
ALOS PALSAR data. Geophys. Res. Lett., 35, L12505,
doi:10.1029/2008GL033365.

Rignot, E., Thomas, R.E., Kanagaratham, P., Casassa, G., Frederick, E., Gogineni,
S., Krabill, W., Rivera, A., Russell, R., Sonntag, J., Swift, R., Yungel, J., 2004.
Improved estimation of the mass balance of glaciers draining into the Amundsen
Sea sector of West Antarctica from the CECS/NASA 2002 campaign. Ann.
Glaciol., 39, 231-237.

Shepherd, A., Wngham, D.J., Mansley, J.A., Corr, H.F.J., 2001. Inland thinning of
Pine Island Glacier, West Antarctica. Science, 291, 862-864.


Q and A

Q:南極地球物理学ノートNo. 6-8で南極大陸の広い範囲でGLが求められたことは判りました。しかし40˚Eから180˚Eの結果がなかったようです。どうしてですか?
A: ERS-1/-2のタンデム・ミッションについては土井ほか(1999)の報告があります。それによると図11が昭和基地受信データのcoverageです。ご覧の通り、シーン分布に地域的な偏りがあり、40˚Eから120˚Eの大陸縁辺部は、ランバート氷河域を除いて受信数が少ないのが実情です。そのため、この地域についての系統的なデータの発掘、処理自体が後回しになっています。この地域の系統的なGL決定は今後の課題です。GL決定が完結できるかどうか不明ですが、40˚Eの西側に比べ、棚氷域の面積は少ないです。

ESAはタンデム・ミッションを1995年8月17日に開始しています。ERS-1/-2衛星のメモリーは取得データをため続けることができないので、南極の受信データは昭和基地、オヒギンズ基地、マクマード基地のアンテナで観測後すぐダウンロードするのが一番効率的でした。昭和基地はNASDA(現JAXA)の海外受信局という位置づけで、ERS-1は実験衛星としてその昭和受信が当初からESA-NASDA協定に入っていましたが、ERS-2はoperational satellite(実用衛星)として受信料の問題がからみ、ESA-NASDA協定の締結が遅れに遅れました。そのため昭和基地での受信はタンデム・ミッション終了目前の1996年2月15日に開始され6月3日に終了しました(実際、危ないところでした)。データ受信は隊員が準備し、アンテナ追尾作業を行わなくてはなりませんが、40˚Eから120˚Eデータの受信は現地時刻の深夜から早朝の時間帯になることが多く、図11のcoverageですら過密なスケジュールになりました。この受信データは文字通り、貴重な資産になっています。

Doi, K., Shibuya, K., Nogi, Y., Ozawa, T., 1999. Interferometric SAR images derived
from ERS-1/2 tandem mission data acquired at Syowa Station, Antarctica.
Journal of Geodetic Society of Japan, 45(4), 351-354. (in Japanese with English
abstract)

note08_11図
図11. ERS-1/-2タンデムミッションの昭和基地受信によるカバレッジ