Algae

南極昭和基地周辺の淡水藻類
南極昭和基地周辺の淡水藻類国立極地研究所関連データベース生物圏研究グループ極地植物多様性画像データ日本語 / 英語

○ Introduction

はじめに
1.湖沼の藻類
(Algae in lakes and ponds)
2.沢の藻類
(Algae in streams)
3.土壌表面の藻類
(Soil algae)
4.コケ群落の藻類
(Epiphytic algae)
5.岩の表面の藻類
(Epilithic algae)
6.礫底面の藻類
(Sublithic algae)
7.岩の割れ目の藻類
(Chasmolithic algae)
8.雪上の藻類
(Snow algae)

○ 学 名

Cyanothece aeruginosa
Cyanothece major
Gloeocapsa punctata
Gloeocapsa sanguinea
Chondrocysits dermochroa
Leptolyngbya battersii
Leptolyngbya perelegans
Leptolyngbya tenuis
Phormidium autumnale
Nostoc commune
Nodularia quadrata
Calothrix parietina
Dichothrix sp.
Stigonema minutum
Luticola muticopsis
Pinnularia borealis
Botrydiopsis callosa
Chloromonas polyptera
Macrochloris multinucleata
Kentrosphaera grandis
Prasiola crispa
Oedogonium sp.
Actinotaenium cucurbita
Cosmarium cf. clepsydra

Gloeocapsa sanguinea

学 名

Gloeocapsa sanguinea (Agardh.) Kützing Phyc. gen., p. 174, 1843 (藍藻)

分 類

これまではGeitler(1932)のモノグラフが藍藻の同定にしばしば用いられてきたが、Komarek(1999)はヨーロッパ産の藍藻クロオコックス目の種について、新たな視点を加え詳細な分類学的再検討を行いモノグラフを作成した。そこで、本データベースは、Komarek(1999)の見解に従ってGloeocapsa属の種の同定を試みた。
藻体をつつむ鞘は無色で、細胞の外側にオレンジ色〜赤銅色の粘鞘を有す種類にはGloeocapsa sanguineaのほか、G. itzigsoniiG. ralfsiiが知られているが、以下に述べた理由から昭和期基地周辺の標本をG. sanguineaに同定した。なお、南極からはこれまで、G. ralfsiiをすべての論文中でGeitlr(1932)に従い、G. ralfsianaの学名で報告しているがKomarek(1999)によるとG. ralfsiiが正しい。

Hirano(1979)はG. sanguineaの内部の鞘は成層せず、G. ralfsiiの内部の鞘が成層するという見解(Geitler, 1932)があることから、それに従って、昭和基地周辺の成層する内部の鞘を有す標本をG. ralfsiiに同定した。しかし、Geitler(1932)はG. ralfsiiの分類形質として大きく膨らむ最外層の鞘をあげているが、これについてはHirano(1979)は言及していない。
その後の研究者はいずれもHirano(1979)の見解に従い、昭和基地周辺の赤い内部の鞘を有す標本をG. ralfsiiに同定した(Hirano, 1983、Ohtani, 1986、Oguni et al., 1987)。

一方、Komarek(1999)は、両種を識別する形質は、鞘が成層するか否かではなく、鞘の厚さ、栄養細胞の大きさ、サブコロニーの栄養細胞の数を分類形質とした。なお、Komarek(1999)は、内部の鞘が成層し、最外層の鞘がG. ralfsiiほど膨らまないG. itzigsoniiを、G. sanguineaのシノニムとした。Komarek(1999)の見解に従うと、Hirano (1979)の図(Pl. 5、Figs. 1-9)の鞘のふくらみはこれまでに報告されているG. sangineaの図(Geitler, 1932;Komarek, 1999)に近く、細胞の大きさは4-6 µmであり、G. sanguineaの大きさの範囲である。Komarek(1999)によるとG. ralfsiiの細胞の大きさは4-8 µmであり、G. sanguineaよりやや大きい。Ohtani(1986)の蘚類付着藻類の試料を再検討したところ、試料番号966、971、994、1002からG. ralfsiiとして報告した種類はG. sanguineaに同定されるものであった。Ohtani(1986)のFig.4-Cは、試料967中に出現した種類であり、この標本は細胞が球形でなく別属である可能性が高い。Oguni et al.(1987)は、東オングル島カモメ池の藻被からG. ralfsiiを報告しているが、鞘の色についての記載がないこと、生息地が池の藻被であることから、G. sanguineaかどうかの判断は見送った。

昭和基地以外の地域からも赤い内部の鞘を有す標本が採集され、これらもG. ralfsiiとして報告されている(Broady, 1981b; 1982;1989c、Pankow et al., 1991)これらについても、分類学的再検討が必要であろう。

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形状・大きさ等の説明。
分類学的な説明。
生態(生育環境)の説明。
南極大陸での生息地域の説明。
引用文献および参考文献一覧。