Algae

南極昭和基地周辺の淡水藻類
南極昭和基地周辺の淡水藻類国立極地研究所関連データベース生物圏研究グループ極地植物多様性画像データ日本語 / 英語

○ Introduction

はじめに
1.湖沼の藻類
(Algae in lakes and ponds)
2.沢の藻類
(Algae in streams)
3.土壌表面の藻類
(Soil algae)
4.コケ群落の藻類
(Epiphytic algae)
5.岩の表面の藻類
(Epilithic algae)
6.礫底面の藻類
(Sublithic algae)
7.岩の割れ目の藻類
(Chasmolithic algae)
8.雪上の藻類
(Snow algae)

○ 学 名

Cyanothece aeruginosa
Cyanothece major
Gloeocapsa punctata
Gloeocapsa sanguinea
Chondrocysits dermochroa
Leptolyngbya battersii
Leptolyngbya perelegans
Leptolyngbya tenuis
Phormidium autumnale
Nostoc commune
Nodularia quadrata
Calothrix parietina
Dichothrix sp.
Stigonema minutum
Luticola muticopsis
Pinnularia borealis
Botrydiopsis callosa
Chloromonas polyptera
Macrochloris multinucleata
Kentrosphaera grandis
Prasiola crispa
Oedogonium sp.
Actinotaenium cucurbita
Cosmarium cf. clepsydra

Kentrosphaera grandis

学 名

Kentrosphaera grandis (Bristol)G. M. Smith 1933(緑藻)
Basionym:Chlorochytrium grande Bristol 1917

分 類

本種が最初に置かれていた近縁属のChlorochytrium属は、高等植物、コケあるいは海藻の内部に生活するが、Kentrosphaera属は自由生活である(Smith,1950; Komarek and Fott,1983)。現有の文献では、Kentrosphaera属の種類の中で成長した細胞の形が球形に近く、径が100µmを超え、また、細胞壁が全体的に肥厚しその一部が厚くなる種は本種しか該当種がない。そのため、今回は本種に同定したが、Bristol(1917)の原記載を現時点で著者は所有しておらず、今後原記載と比較する必要がある。Kol (1968)は南極のハズウェル島の土壌より、本属の種類を分離し、Kentrosphaera antarcticaとして新種記載した。Kol(1968)によるとK. antarcticaは大きさではK. grandisと類似するが、生育環境は土壌とされていること、細胞壁の肥厚がK. grandisに比べ薄く、成長した細胞は一方の細胞壁が厚くなる傾向があることなどの違いがある(p. 71, Figs. 1-11)。Akiyama (1967)、Broady(1986)は、本属の別種K. bristolaeをそれぞれ、西オングル島の土壌、ベストフォールドヒルズの蘚類から報告している。Seaburg et al. (1979)は南ビクトリアランの湖岸の藻被からKentrosphaera sp. (? bristolae)を報告している。その細胞は、大きさが100µmに達することは本種と類似しているが、成長した細胞の形が卵形であること、長さが幅の2倍あることで異なっており、本種とは別種の可能性がある。細胞壁の一部が肥厚するK. facciolaeがシルマッヘルオアシス(Pankow et al., 1991)や北ビクトリアランドの土壌(Cavacini,2001)報告されている。 Hirano (1959,1961)はChlorosphaera antarctica Fritschをスカーレンの池の氷から報告している。C. antarcticaはFritsch(1912a)がサウスオークニー諸島の黄色雪から見つけ、新種として記載した種である。C. antarcticaの細胞の大きさは11-26µm(さらに大きい細胞が観察されたとし記されている)、細胞の周囲は透明な粘質で被われている。Hirano (1959)の写真(pl. 1, Figs. 5, 6)は、著者の採集した標本と酷似しており、周囲の皮膜は透明な粘質ではなく、肥厚した細胞壁と判断されたこと、細胞が皮膜を除いて70µmに達していること、細胞壁の一部が突出する傾向があることから、Chlorosphaera属ではなく、Kentrosphaera属の一種と考えられる。Hirano (1959,1961)自身も、細胞を被っている皮膜の形状がFritsch(1912a)の記載と異なっていることから、さらなる詳細な検討が必要であると述べている。

写真1:池から採集した藻被の裏に見られた成長中の細胞。いずれも細胞壁は厚く、一部が特に肥厚する。右の球形の細胞は径120µm、細胞壁の厚さは約15µm。左下の細胞は右上の細胞壁が約30µmに肥厚している。標本番号:SO-00012210。スカルブネス。大谷修司撮影。
 
写真2:雪鳥池湖岸の藻被裏に見られた本種の細胞。放射状の葉緑体が確認できる。細胞の径は約58µm。SO-00010404。ラングホブデ。大谷修司撮影。
 
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形状・大きさ等の説明。
分類学的な説明。
生態(生育環境)の説明。
南極大陸での生息地域の説明。
引用文献および参考文献一覧。