Algae

南極昭和基地周辺の淡水藻類
南極昭和基地周辺の淡水藻類国立極地研究所関連データベース生物圏研究グループ極地植物多様性画像データ日本語 / 英語

○ Introduction

はじめに
1.湖沼の藻類
(Algae in lakes and ponds)
2.沢の藻類
(Algae in streams)
3.土壌表面の藻類
(Soil algae)
4.コケ群落の藻類
(Epiphytic algae)
5.岩の表面の藻類
(Epilithic algae)
6.礫底面の藻類
(Sublithic algae)
7.岩の割れ目の藻類
(Chasmolithic algae)
8.雪上の藻類
(Snow algae)

○ 学 名

Cyanothece aeruginosa
Cyanothece major
Gloeocapsa punctata
Gloeocapsa sanguinea
Chondrocysits dermochroa
Leptolyngbya battersii
Leptolyngbya perelegans
Leptolyngbya tenuis
Phormidium autumnale
Nostoc commune
Nodularia quadrata
Calothrix parietina
Dichothrix sp.
Stigonema minutum
Luticola muticopsis
Pinnularia borealis
Botrydiopsis callosa
Chloromonas polyptera
Macrochloris multinucleata
Kentrosphaera grandis
Prasiola crispa
Oedogonium sp.
Actinotaenium cucurbita
Cosmarium cf. clepsydra

8.雪上の藻類(Snow algae)

雪上にも藻類は生育しており、雪面を緑や赤、茶色に色を変える。このような藻類を氷雪藻(ひょうせつそう、snow algae)という。雪解けが進む時期に、雪の間の水分と栄養を利用して繁殖する。雪上では緑藻類が優占することが多く、緑雪(図37)だけでなく、赤雪(図38)も緑藻が優占種である。


図37 雪鳥沢中流の雪渓に見られた緑雪。1988年2月17日,ラングホブデ(大谷修司撮影)
 


これは緑藻が2次的に赤い色素を合成したためである。氷雪藻は日本(Fukushima, 1963)や世界各地の高山の氷河などにも生育する(Kol, 1968)。南極ではペンギンや海鳥の巣の近くで、氷雪藻を見かけることが多い。昭和基地周辺ではルンパのペンギンルッカリー周辺からChloromonas polyptera (Fritsch) Hohm et al.などが報告されている(秋山, 1977)。ラングホブデ雪鳥沢のユキドリ営巣地、昭和基地内(Ishikawa et al., 1986)などで小規模のコロニーが見られる。


図38 雪鳥沢中流の雪渓に見られた赤雪。1988年2月17日,ラングホブデ(大谷修司撮影)
 



図39 沿岸のペンギン換毛地近くの緑雪。1991年1月5日,キングジョージ島(大谷修司撮影)
 


昭和基地周辺の氷雪藻の群落はまだ分類学的研究は少ない。著者が研究を行ったキングジョージ島などの積雪が多くまた、夏にほとんどが解けてしまうような昭和基地よりも暖かい南極半島付近では、海鳥などが生育する沿岸部を中心にたくさんの赤、オレンジ、緑、茶などの着色したコロニーが見られた。


図40 雪原にみられた赤雪。1991年1月5日,キングジョージ島(大谷修司撮影)
 

氷雪藻のコロニーのサイズも昭和基地周辺に比べ大きく(図39,40)、緑藻ではKlebsormidium sp. や未同定の球形細胞が集合した種などが優占し、赤雪では赤い色素を蓄積した「緑藻」の休眠細胞が優占していた。重要な分類形質である栄養細胞を観察することができなかったため種の同定はできていない。また、優占することは少ないが、Chloromonas属の数種もたびたび出現した。キングジョージ島の優占種や雪の性状や栄養塩との関連については著者らによる報告がある(Ohtani et al.,1998)。



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引用文献および参考文献一覧。