Algae

南極昭和基地周辺の淡水藻類
南極昭和基地周辺の淡水藻類国立極地研究所関連データベース生物圏研究グループ極地植物多様性画像データ日本語 / 英語

○ Introduction

はじめに
1.湖沼の藻類
(Algae in lakes and ponds)
2.沢の藻類
(Algae in streams)
3.土壌表面の藻類
(Soil algae)
4.コケ群落の藻類
(Epiphytic algae)
5.岩の表面の藻類
(Epilithic algae)
6.礫底面の藻類
(Sublithic algae)
7.岩の割れ目の藻類
(Chasmolithic algae)
8.雪上の藻類
(Snow algae)

○ 学 名

Cyanothece aeruginosa
Cyanothece major
Gloeocapsa punctata
Gloeocapsa sanguinea
Chondrocysits dermochroa
Leptolyngbya battersii
Leptolyngbya perelegans
Leptolyngbya tenuis
Phormidium autumnale
Nostoc commune
Nodularia quadrata
Calothrix parietina
Dichothrix sp.
Stigonema minutum
Luticola muticopsis
Pinnularia borealis
Botrydiopsis callosa
Chloromonas polyptera
Macrochloris multinucleata
Kentrosphaera grandis
Prasiola crispa
Oedogonium sp.
Actinotaenium cucurbita
Cosmarium cf. clepsydra

4.コケ群落の藻類(Epiphytic algae)

南極の陸上における重要な淡水藻類の生息場所はコケ群落である。コケ群落は夏場、雪解け水を吸水し、湿った状態となり、藻類は群落表面で生育する。昭和基地周辺のコケ群落は凹凸があり、凸の部分が黒く変色した現象がよく見られる(図23,24)。


図23 凹凸のあるコケ群落。黒い部分に藻類や地衣類が付着している。1988年12月28日,ラングホブデ雪鳥沢(大谷修司撮影)
 


これは様々な色の藍藻や緑藻、珪藻などが着生し、黒くみえているのである(Ohtani,1986; Ohtani & Kanda, 1987)。このような黒くなった部分のコケは枯れている場合が多い。藻類が付着するためにコケが枯れるのか、枯れたコケに藻類が付着するのか良くわかっていない。


図24 凹凸のあるコケ群落。黒い部分に藻類や地衣類が付着している。1988年12月28日,ラングホブデ雪鳥沢(大谷修司撮影)
 



図25 黒い部分を取り出し,顕微鏡で観察。冷凍標本F00971-017,ラングホブデ雪鳥沢(大谷修司撮影)
 


黒色の部分は藍藻類が優占し、赤、オレンジ、紫、褐色などに着色した粘質の鞘を有するものが多い(図25)。


図26 蘚類群落上のイシクラゲ(Nostoc commune )のコロニー。1988年12月10日,ラングホブデ雪鳥沢(大谷修司撮影)
 

出現属としては、Cyanothece属、Gloeocapsa属、 Stigonema属、Nostoc属(図26)などがある。



図27 蘚類ヤノウエノアカゴケに付着する緑藻Actinotaenium cucurbita のコロニー。粘液物質を分泌して付着している。冷凍標本F00975。ラングホブデ雪鳥沢(大谷修司撮影)
 

 緑色のコケにも藻類は付着しており、緑藻Actinotaenium cucurbitaが粘質を分泌して 付着している場合がある (図27,Ohtani, 1986)。 コケの温度は気温よりも高 く、昭和基地の夏期の晴天 の日、 気温は0℃前後でも コケ群落は太陽の日射に より温度は10〜15℃程度 まで上昇することが知られて いる(大谷,1994)。



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引用文献および参考文献一覧。