Algae

南極昭和基地周辺の淡水藻類
南極昭和基地周辺の淡水藻類 ・ 国立極地研究所関連データベース生物圏研究グループ極地植物多様性画像データ日本語 / 英語

○ Introduction

はじめに
1.湖沼の藻類
(Algae in lakes and ponds)
2.沢の藻類
(Algae in streams)
3.土壌表面の藻類
(Soil algae)
4.コケ群落の藻類
(Epiphytic algae)
5.岩の表面の藻類
(Epilithic algae)
6.礫底面の藻類
(Sublithic algae)
7.岩の割れ目の藻類
(Chasmolithic algae)
8.雪上の藻類
(Snow algae)

○ 学 名

Cyanothece aeruginosa
Cyanothece major
Gloeocapsa punctata
Gloeocapsa sanguinea
Chondrocysits dermochroa
Leptolyngbya battersii
Leptolyngbya perelegans
Leptolyngbya tenuis
Phormidium autumnale
Nostoc commune
Nodularia quadrata
Calothrix parietina
Dichothrix sp.
Stigonema minutum
Luticola muticopsis
Pinnularia borealis
Botrydiopsis callosa
Chloromonas polyptera
Macrochloris multinucleata
Kentrosphaera grandis
Prasiola crispa
Oedogonium sp.
Actinotaenium cucurbita
Cosmarium cf. clepsydra

はじめに

 南極の昭和基地周辺には雪や氷に覆われていない岩の露出した場所があり (図1)、露岩地域(ice-free area)と呼ばれている。露岩地域の雪解け水が供給される土壌表面には、蘚類、地衣類、藻類などが生育している。しかし、樹木、草本やシダ類は南極昭和基地周辺には分布していない。これらの露岩地域には生物が生息していることから、南極の白い雪氷砂漠に対して、オアシスと呼ばれ、昭和基地周辺の宗谷海岸沿いにみられる露岩地域は総称して「昭和オアシス」と呼ばれている。


図1 昭和基地周辺の露岩地域
(大谷修司作成)
 


図2 南極露岩地域における淡水藻類の生育地(大谷修司作成)
 

 藻類(algae)とは水中で酸素発生型の光合成をする体のつくりが簡単な生物の総称である。特に、陸上の水界に生育する藻類を淡水藻類(freshwater algae)という。淡水藻類の生息場所は湖沼や沢のような水中のほか、水分が少しでも存在する土壌表面、岩の表面、岩の割れ目、石英質の小石の裏、蘚類群落、雪の表面などが知られている(図2)


 これまでに昭和基地周辺の湖沼や土壌、コケ群落などから約300種の藻類が報告されている(大谷,1994)。量的には、藍藻(blue-green algae、cyanobacteria)が多く、ついで量が多いのは珪藻(diatoms)と緑藻(green algae)である。土壌を培養すると黄緑藻(yellow green algae)がたびたび出現するが、現地の土壌表面で肉眼的なコロニーを作ることはない。黄金藻は数種が報告されているにすぎない(Oguni et al., 1987)。また、淡水性の褐藻、紅藻は南極昭和基地周辺からは知られていない。昭和基地周辺の淡水藻類に関する総説としては福島(1973)、秋山(1982)、大谷(1991,1994)等があり、参照されたい。以下、生息場所ごとに出現する藻類の特徴をこれらの総説と著者の調査結果から述べる。

大谷  修司(島根大学教育学部)
神田  啓史(国立極地研究所)   
監修:伊村  智(国立極地研究所)      

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引用文献および参考文献一覧。