惑星の誕生と成長のようすを見せる隕石

惑星になりそこねた星・母天体からきた隕石

始源物質が一度溶けて変化し 再び岩石となって惑星に成長する

宇宙に浮かんだ太陽系の始源的物質は、引力で引きつけあって大きなかたまりに成長し、さらに巨大化して地球や火星・木星などの惑星に成長した。しかし惑星に成長する前に、こなごなに砕けてしまった星があったと考えられる。「分化した隕石」はこの母天体と呼ばれる星からきた隕石だ。

「分化した隕石」は、始源的隕石と違っていくつかの性質の岩石に分かれている。惑星に成長する過程で始源的物質が変化し、惑星ができあがっていく45億年前のようすを示しているのだ。

解説

隕石から惑星の成長過程が研究できる

惑星ができる過程では、巨大化した天体の内部は高温高圧になり、一度固体化した始源的物質はふたたびとけて液体化する。重い鉄分などが中心に沈んで核になり、とけたマントルと表面の地殻という天体の構造ができあがる。始源的物質が含んでいた石質の成分は表面からの深さで分かれ、それぞれ性質の違う岩石に「分化」していくのだ。
小惑星帯のペスタと呼ばれる小惑星など、母天体となった星がいくつかわかっていて、隕石を調べると惑星の成長の過程が研究できる。

分化した隕石のなりたち
国立極地研究所 小島先生のお話

解説(分化した隕石)

母天体の核からきた隕石
鉄隕石(隕鉄)

Yamato-791076, 331.80g, iron

母天体の核にあたり、ほとんど鉄とニッケルの合金からなっている。この鉱物は地球上では発見されない。鉄隕石を適切な角度で切ると、写真のようにウッドマンステッテン構造と呼ばれる特有な模様が現れる。超高温でとけた状態からゆっくりと冷却された時に形成される。 鉄隕石は化学組成の違いから13の群に分けることができ、13の異なる母天体からきたと考えられている。

母天体の核とマントルの中間部からきた隕石 パラサイト

Yamato-8451, 54.86g, pallasite.

母天体の核とマントルの中間部にあたり、鉄分が多い。地球でも表層の岩石にはみられないが、内部の核の周囲はパラサイトでできているだろう。

母天体の地殻部分からきた隕石
ユークライト

母天体ができて始源物質が溶とかされ、溶岩、あるいはマグマの海(マグマ大洋)がふたたび岩石化するときに、最後の残液からできたと考えられている。ユークライトは溶岩として地表に繰り返し噴出し、母天体の表層地殻をつくった。地球の火山で作られる最も一般的な溶岩の「玄武岩」に化学的に似ている。