火星隕石
日本隊が採集した火星隕石
 火星起源とされる隕石は、現在12個が知られている。12個の半分に当たる6個が南極産であり、このうちの2個、ALH-77005とY-793605を極地研究所が保有している。

南極で発見された火星隕石
ALH-77005 極地研・NASA 1977発見 480g
ALH-84001 NASA 1984発見 1.9kg
EETA79001 NASA 1980発見 7.9kg
LEW88516 NASA 1994発見 13g
QUE94201 NASA 1977発見 12g
Yamato-793605 極地研 1977発見 16g

 火星隕石は火星に大きな隕石が衝突し、火星の岩石が宇宙空間に飛び出して地球に到達した。火星の地質や進化過程を教えてくれる唯一の物質である。
これらの隕石が火星起源とされるのは、主に以下の二つの理由による。

  • 隕石が非常に若い結晶年代を示す
    結晶年代が13億年と1.8億年を示す。その時期まで火成活動が続くことが可能なのは、それなりの大きさをもった天体でなければならない。小さな天体ほど早く冷えて固化してしまう。
  • 火星の大気と一致する組成
    隕石に含まれる気体の存在度や希ガスの同位体組成が、1976年に火星に着陸したバイキングによって測定された火星の大気とよく一致する。

地球外生物の痕跡?火星隕石から発見
 
ALH84001の中に生命の痕跡を発見したという発表が世界の人々に衝撃を与えた。もしこのことが事実であるならば、はじめての地球外生命の発見であり、生命は地球だけの特別な存在ではなく、宇宙に満ち溢れていることにつながる。
 しかしその根拠は、バクテリアの化石様の形態や、生体生成鉱物との類似性、芳香族炭化水素の検出などで、あくまで傍証であり、まだ決定的な証拠は得られていない。

 月隕石
月隕石Asuka-881757 442g
 これまでに南極から14個の月起源隕石が発見されており、そのうち7個が日本隊による発見である。南極以外ではオーストラリアで1個、サハラ砂漠で2個が発見されている。
 月の岩石は、旧ソ連のルナー計画によって持ち帰られた300g、アメリカのアポロ計画による400kgがあるが、南極から得られた月隕石は総量で2kgにおよんでいる。
 重要なことは、アポロ計画などによる採取が限られた地域であるのに対し、月隕石はそれぞれが月の異なった場所から飛び出し、地球に飛来していることにある。地球上にいながらに、月の各地域の岩石が得られるわけで、驚くことに月の裏側から来た可能性が高い隕石も含まれている。月から持ち帰られた岩石は全て地球に見える側からであり、その岩石が月の地殻を代表すると考えられてきたが、月隕石の発見によりそれが修正されている。
 月隕石の発見は、これまでの考え方とは異なった、新しい月の進化の姿の復元していくことだろう。

南極で発見された月隕石
Yamato-791197 52g 斜長岩質角礫岩 極地研
Yamato-793169 6g 輝緑岩 極地研
Yamato-793274 9g 玄武岩-斜長岩質角礫岩 極地研
ALHA81005 31g 斜長岩質角礫岩 NASA
Yamato-82192 37g 斜長岩質角礫岩 極地研
Yamato-82193 27g 斜長岩質角礫岩 極地研
Yamato-86032 648g 斜長岩質角礫岩 極地研
EET87521 31g 玄武岩質角礫岩 NASA
Asuka-881757 442g ハンレイ岩 極地研
MAC88104 61g 斜長岩質角礫岩 NASA
MAC88105 662g 斜長岩質角礫岩 NASA
QUE93069 21g 斜長岩質角礫岩 NASA
QUE94260 3g 斜長岩質角礫岩 NASA
QUE94281 23g 玄武岩質角礫岩 NASA

 <岩石の種類>
斜長岩質角礫岩:主に斜長石からなり、月の高地を起源としている。

玄武岩・輝緑岩・ハンレイ岩:玄武岩質の一群で、月の表層で急冷されてできた岩石。輝緑岩・ハンレイ岩の順で深い位置でできたもの。月のクレータに内部から溶岩が流れ出し、固まった岩石群。