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雪と氷の世界と信じられていた南極大陸の中に、4000km2におよぶ広大な無雪地帯をはじめて発見したのは1901年〜1904年に越冬したスコット隊でした。ロス島からマクマード入江をはさみ、対岸の南ビクトリアランド一帯には南極最大の無雪地帯があり、マクマードオアシスと呼ばれます。ドライバレーはこのマクマードオアシスの中心部です。
ドライバレーは三つの大きな谷と、それぞれの谷からの何本もの支流の谷とで形成されています。谷は氷河がけずったU字谷で、幅は広いところでは10km以上もあります。谷の長さは東西約70kmですが、モレーンにおおわれた谷底の標高は20〜350mで、両側には標高1000〜2500mのけわしい山稜がそそり立っています。谷を区切る山々の頂きは比較的なだらかで、溢流氷河、山岳氷河、圏谷氷河があり、この氷河の末端は何本もドライバレーの谷々に流れくだり、氷河舌を形成していますが、谷底まで達するのは少なく、途中で消滅しています。
谷底のモレーンは風化の度合により、大きな岩塊の並ぶところから小石をしきつめたようなところまでいろいろあり、砂丘もあります。谷底の石は風に磨かれ、つるつるの三稜石も見られます。谷のあちこちに大小さまざまな氷河湖が点在します。氷河湖の中には塩湖もあります。
1963年12月、ドライバレーにあるドンファン池を調査した日本隊は、池の中に白色針状結晶が析出しているのを発見しました。この結晶を持ち帰り、分析した結果、塩化カルシウム六水塩(CaCl2・6H2O)であると同定されました。天然に産する鉱物として南極大陸内でのはじめての発見で、「南極石」と命名されました。南極石の結晶は10cmにも成長する塩の固まりです。ドンファン池の水はそれほど塩分に富んでいます。1969年7月、バンダ基地の越冬隊員が訪れたときも、-54度という低温だったにもかかわらず、結氷しておらず、ドライバレー地域でただひとつの不凍結湖であると考えられています。
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